Egberto Gismonti Group /Infância(1991)
子供が生まれたら一番最初に聴かせてあげたいアルバム。
Hermeto Pascoalと並んで現代ブラジル音楽の最高峰と呼ばれるEgberto Gismontiオジイちゃんのアルバムである。
ECMではよく言われることだが、このアルバム、本当にジャケット通りの音がする。それはちょうど春先のこの季節に聴くからかもしれないが、少し冷たいけど明らかに爽やかになった風に吹かれる情景が思い浮かぶ。
アルバム冒頭曲はGismontiお得意の14弦(10弦?)ギターを軸として、他のパートが絡むことによって緊張感が高められては弛緩することを繰り返す構成。この1曲目であっという間にアルバムに引き込まれてしまう。grabbed my heartって感じがぴったりだ。
文句のつけようのないアルバムに思うが、一番のお気に入りの曲はA-4のアルバムタイトル曲だ。アルバムで聴くより先にYouTubeで見てしまったのだが、音質がかなり悪いにも関わらず衝撃的な演奏だった。ちょっと見てくださいよ。
この映像を見たときに、「ここを押したらどんな音が鳴るのかな?」と鍵盤を叩きまくる子どものように感じた。出る音出る音に好奇心が向けられていて、「演奏を楽しんでいる」という状態の極致を見たと思った。