暑い図書館2

国破れても山河あるやんけ

Tom Waits/ Please Call Me Baby

 

トムウェイツで一番好きなセカンドアルバム、The Heart of Saturday Nightより

 

酔いどれ詩人と呼ばれるほどの人なので、メロディはもちろんのこと

その歌詞に注目したい。

そして酔いどれの詩人なのでその歌詞の歌い方にも注目しよう。

 

歌いだしはこうだ。

The evening fell just like a star, left a trail behind

いきなり美しい情景だ。流れ星の後ろ髪も引きたくなる午後。

穏やかな午後である。しかし彼女は罵倒しながら唾を吐く。

You spit as you slammed out the door

If t'his is love, we're crazy

こんなの愛ではなく、犬や猫の喧嘩だという。

As we fight like cats and dogs

 

だけどそれはそんなに大したことではなく、

もっと他に大事なことがあるのはちゃんと知っているのだ。

But I just know ther's got to be more

 

変拍子を加えながらこの一節を歌い上げるのだが、

気だるげな歌詞とその気だるげな歌い方には大変な心地よさを感じる。

軽く酔った状態、ほろ酔いのときの心地よさは素晴らしい。

農工大の畑で、あれは朝焼けだったのか夕焼けだったのか今では思い出せないのだが、霧がかった陽の光を見たことをよく覚えている。

朝ぼらけという言葉がよぎった気がするので、研究室で夜通しの後の朝だったのかもしれない。

徹夜の眠気もさることながらあのときも確かな大変な心地よさを感じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 


Tom Waits - Please Call Me Baby